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概要

マレーシア高等教育借款事業(HELP)

「マレーシア高等教育借款事業(HELP)」は、日本の円借款資金によってマレーシア政府が実施する留学生派遣事業です。1992年の発足以来、マレーシア人609名が日本全国の大学に入学し、勉学に励んでいます。

HELP1を進化させたこのHELP2の最大の特色は、現地で大学教育の一部を実施し、その後日本の大学に編入留学する『ツイニング・プログラム』の導入です。これによって、日本留学にかかるコストの削減と現地高等教育の拡充が実現されます。ちなみにマレーシアでは、日本留学1人分の費用で、欧米には4〜5人留学させられるといわれています。

ツイニング・プログラムの導入に際しては、1997年6月以来、マレーシア政府認定済み(または予定)の私立13大学を中心に、数多くの検討会を重ねてきました。外国人留学生が対象のツイニング・プログラムは日本の大学史上初の試みであるため、その内容は単位認定の問題に始まり、共通シラバスの作成、現地での大学教育の方法、日本とマレーシアを結ぶ遠隔教育の可能性、大学間のコンソーシアムの組み方など、多岐にわたりました。

こうした準備期間を経て、1994年4月、日本・マレーシア両政府で総額52億8,500万円の円借款契約が結ばれ、ツイニングの現地教育を行うJapanese Associate Degree(通称:JADプログラム、日本名:日本マレーシア高等教育大学連合プログラム)を開設、同年5月に現地教育が始まりました。

HELP3は、よりツイニングを進化させ、3+2ツイニング(マレーシアの教育3年、日本の教育2年)により、日本の滞在期間を短くすることで留学のコストを削減し、日本への語学留学をはじめ、予備教育を充実させることに成功しました。

HELP3の具体的な内容

  1. 奨学金の支給
  2. 日本及びマレーシアからの教員選考・任命
  3. 工学ディプロマ・コースのための施設・実験設備の提供
  4. プロジェクト実施と学生ケアのための管理・教育サービスの提供
  5. マレーシア及び日本でのプロジェクト管理のための教育及びコンサルティング・サービスの提供
  6. ツイニングを通じて日本の代表的な大学との「Joint Venture University Concept」の策定

HELP3期間は2005年3月から2014年3月となります。
これまでの事業を受けて、2006年以降、日・マ両政府間で異例の円借款契約が継続され、HELP3は順調に運営され、2014年3月を以って、完了となりました。

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●ディプロマコース/日本語教育を中心とした予備教育と日本の大学のカリキュラムに基づく工学系大学教育

YPMとは?

マレー語、Yayasan Pelajaran MARA(MARA教育財団)の通称。本事業を実施するマレーシア側の起業家開発省傘下の高等教育機関です。